ポストコロナ

昨日アベ首相は、緊急事態宣言を日本全国に拡げた。同時に、国民に対し(海外からの労働者も含んでいる?)一律10万円の緊急支援を発表した。一律にすべきかどうかは疑問だし、給付が開始される時期も遅いとは思う。しかし、能天気なV字回復を目指す政策にうつつをぬかすことはひとまずおいて、喫緊の国民の生活と生命を守ろうとする施策を表明したことは評価できる。

私のかつての数編のブログに共通している思想がある。それは、行き過ぎたグローバリズムに対する警告であり、未来の世界の自由を奪いながら成長戦略をとるアメリカ・日本に対する失望であった。だから、新型コロナウイルスのパンデミックが落ち着いた後のV字回復など望んでいない理由については繰り返さない。問題はポストコロナの世界がどうなっているかだ。コロナウイルスの猛威により人命が失われるのはどこも同じであろう。欧米・日本などの先進国でも多数の貴重な国民の命を失う。しかし経済的には、今までの蓄えにより何とか余力を残すことだろう。しかし途上国と言われるアフリカや南米・南アジア・アラブの国々はどうだろう?アメリカのトランプは、自国ファーストだ。他国と連帯してコロナウイルスに立ち向かおうという姿勢はなく、責任転嫁のために中国を非難しWHOへの拠出金を引き揚げようとしている。コロナ禍が落ち着いてきた中国は、失われた自国の経済的損失を埋め今後の覇権を拡げようという野心のもとに、他国の足元を見ながら医療支援を行っているようだ。つまり、二つの経済的大国に利他的思想はなく、利己的施策を当分続けていくようだ。その結果世界はどうなるだろうか?

写真は、本日吉野川の河川敷でみかけた野良犬。もともとは飼い犬だったのだろう。私の車が近づくのを見て、しっぽを振りながら近づいてきた。かつてかわいがってくれたご主人様が来てくれたと思ったのかもしれない。見ると下半身を中心にひどい皮膚病に侵されていた。私は車の窓も開けずじっと眺めていた。犬は車のそばのアスファルトに何度か座ろうとしていたが、地べたに座ると痛むのだろう。しゃがみ込むことなく、しばらくすると寂しそうに何度も振り返りながら私の車から離れていった。私はそれを眺めるだけだった。

先進国は、途上国にマーケットを拡げ安い労働力を得ることで自国の経済成長を達成していた。吸い取られる一方の途上国には未だ十分な蓄えはない。もちろんグローバル経済の恩恵を受けた分野や特権階級はあろうが、今回のコロナ禍で医療インフラの乏しい途上国は非情なダメージを被ることだろう。利己的な先進国は、かつてかわいがっていたこの野良犬のように途上国を見捨てるばかりだ。格差はさらに拡がり、世界は不安定化する。


シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

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