何でもないこと1

イラクでの会議は昨日終わった。いつもながら申し訳ないと思いながらのやっつけ仕事だった。役に立っているのか?成果はどうなのか?それを問われると胸を張って誇れるものはない。しかし、人に誇れる成果だとか大言を吐くよりも、大事にせねばならないものがある。そのようなことをいくつか書くつもり。明日は陸路スレイマニアに移動の予定。写真はアルビルの高層ビル街。2009年初めて来たときは何もない原っぱだったところ。

出勤のため早朝に週に2度ほど車で1時間走る。その間にコンビニでコーヒーを買う。小休止と眠気覚ましが目的だ。そこで一人のお年寄りをいつも見かける。70歳くらいの女性。年期の入った軽自動車の運転席に薄汚れた作業着で独り座り、ホットコーヒーとセットの菓子パンをかじり、どこを見るでもなくぼんやりしている。音楽やカーラジオを聞いている風ではなさそう。にこりともしない。ただ、コーヒーをすすり時折パンをかじる。認知症ではなさそうだ。浮浪者でもない。近くに住んでコンビニでの朝食が日課になっているのだろう。同居人は?おそらくいない。どうして?未婚のまま年取った?夫と死に別れた?子供は?自立し家を離れている?彼女のおかれた境遇を想像すると、いろんな状況が思い浮かぶ。いずれにしても活気あふれる生活からは程遠い。楽しい時期もあっただろうが、今は早朝にコンビニの駐車場で独り車の中で食事をとる毎日。この先再び明るい朝食を誰かと一緒に楽しむことがあるだろうか?

コンビニ店員は30過ぎの男性。2年くらい前から早朝のコンビニをワンオペでこなしている。非正規のバイト仕事だろう。失礼な想像だが、おそらく結婚はしていない。少しでも時給の高い、気楽にワンオペで働ける時間帯にいるのだろう。愛想がいいわけではない。いつも「ホットのレギュラー」という私にカップを差し出すのみで、特別な会話はない。この先もずっと続けるのだろうか?5年後とかも、同じように働いているのだろうか?年をとったらどうする?結婚はできるだろうか?未来への展望は?余計なおせっかいだろうが、そんなことを考えてしまう。

つい先日いつもより早めにコンビニに着いた。車の中に籠る前に会計をしている女性がいつものコンビニ店員のレジの前にいた。何か話している。二言三言交わしている。内容はわからなかった。けど、二人とも笑顔になっていた。なんだかほっとした。それだけの話。

シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

0コメント

  • 1000 / 1000