何とかしてください

10歳の女の子が虐待で亡くなった。2日余り食べさせてもらえず、冷水をかけられ(無理やり水を注がれて?)死んだ。「先生、何とかしてください」と、救いを求めて必死で切なく訴えていた彼女の手を、しっかりと握りしめ救い出す人がいなかった。無念。救えるチャンスはあったようだ。最初の学校でのアンケート。その翌日には一時保護されていたようであり、学校は迅速に動いたと言えよう。しかしその後がお粗末だった。児相は父親の恫喝に屈し一時保護を解除した。教育委員会は「ひみつはまもります」と書いていたアンケートをコピーして父親に渡した。母親は虐待の場にいながら見て見ぬふりをした。10歳の少女を見殺しにした。少女の命より、優先させたものは何だ?必死で助けてくださいと伸ばしている手をつかもうとしなかったのは何故だ?誰も自分の行動に正当性がないのは自覚しているだろう。

母親はすでに暴力で支配されていたから夫に抗うことは難しかったと思う。おそらく彼女は正常な判断ができなかった。彼女に責任を押し付けるのは酷だ。問題は児相と教育委員会。もちろん彼ら自身、彼らがとった行動の過ちを自覚しているだろう。だから非難を繰り返さない。今後同じことが生じないように何とかして下さい、とお願いするしかない。

児相所長の会見をみた。世間の悪意に晒されることなく成長してきた純情な方、真面目で優しい人と思った。彼は罪を認識していた。それに対する罰を受けようと必死に耐えていた。真実を明らかにすることで彼が受ける非難。その恐怖に負けて、「逃げたり嘘をついちゃいけない。少女はもっと酷い恐怖を受けていた。どんな非難も受けなくちゃいけない。どんな罰も受けなければならない。」質問に答える彼の言葉や眼の動きから、そういう感情が透けてみられた。

彼の過ちを弁護するわけではない。しかし、参考人招致に出てこなかったり、出てきても「答弁を差し控えさせてもらいます」とかいう高級官僚よりはましだ。何が起きていたのか?自分や組織の都合を排除し嘘偽りなく真実をさらけ出さなければ、有効な改善策はなされず同じ事を繰り返すのみだ。少なくとも、児相の所長はそれを理解し逃げずに立っている。少なくとも誠実だ。嘘ごまかしだらけの官僚や政治家より上等な人間だ。

シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

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