今回の能登半島地震では、震災での原発事故対策が机上の空論であることが明らかになった。小さなところではモニタリングポストからのデータ収集ができなくなったのがあるが、抜本的に震災における原発事故対策が機能しない状況がいくつもあった。
事故の後は放射線を浴びることを避けるため、まずは屋内退避し指示を待つことになっている。しかし多くの建物は崩壊した。余震の続く中、屋内にとどまること自体が危険であり屋内退避はできない状況だった。事故が起きていたら多くの人は降り注ぐ放射線を避けることはできなかっただろう。また、がけ崩れなどで道路が寸断され隆起により港も使えなくなり、逃げようにも逃げられない状況になっていた。原発事故災害の場合大型バスを連ねて、志賀町から北の輪島市あるいは南の金沢方面へ逃げる計画だったろうが、大型車両が入れなかった。アクセスが寸断されたことで支援活動も迅速には行えなかった。先週くらいから二次避難の移動がようやく本格化してきたところだ。原発事故が生じていたなら志賀町近辺の方たちは、自力で脱出するほかなかっただろう。
地震大国の日本で、原発を維持しようという考えは早急に捨て去るべきだ。
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