ネットを見ていると、プレジデントオンラインに「日本人は習近平の本当の怖さを知らない…「奴隷ではなく、市民でありたい」という横断幕を掲げた男の末路」という記事を見つけた。中国共産党の党大会の3日前の10月13日の朝、北京の大通りを跨ぐ高架橋に横断幕が掲げられ、そこには下記のような抗議の文面があったとのこと。
「PCR検査ではなく食料を。ゼロコロナでなく生活を。戒厳令にも似たロックダウンではなく自由を。嘘ではなく品位を。文化大革命ではなく改革を。独裁ではなく投票を。そして、奴隷ではなく、市民でありたい」この抗議者は、彭立發(ペン・リーファ)という名の47歳男性だとされている。嘘ではなく品位を、という一文に知性を感じる。連行された後にどうなったかは不明とのことだった。中国は民主主義国家ではなく共産党の一党独裁だから、太宰の言う民主主義の定義は適応できない。多数派の漢民族を共産党の駒として扱うことに異議を申し立ててもどうにもならない。この男性の訴えはお門違いと排除される運命でしかなかろう。しかし、異民族であるチベットやウイグルなどに対して奴隷以下の扱いがなされ、民族浄化が行われている現状は看過できない。
「奴隷ではなく、市民でありたい」は民主主義を熱望する叫びだ。太宰の言葉に通じる。民主主義的組織である条件は、構成員を部品やすて駒・奴隷としてではなく、人として扱うことだ。基本的に、不良品あるいはロクデナシとみなし排除するような組織は民主的組織ではない。そう思う。
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