枝野の失敗

私は自民サポーターではない。立憲民主党をサポートしているわけでもないが、パヨクの私にもっとも近い思想であろう。選挙で議席を伸ばしてほしいと思っていた立憲民主党だが、衆議院選挙では大失敗をしでかした。選挙前から政党支持率は10%にも満たないのに、共産党と一緒に政権政党を目指すというのは無理な話だ。いくら政権選択選挙だとしても大風呂敷を広げすぎた。「優勝は目指しません」と宣言したBig Bossのように、まずは支持拡大できるよう政権政党とは異なる自身の立ち位置を明確にすべきであったろう。枝野さんはそれをせずに共産党と閣外協力をするといったがために、共産党アレルギーの支持者が離れていき、その余波で維新の会が大躍進した。おかげでこれから改憲論議が高まることだろう。

野党であるからとにかく政権政党に噛みつくというのは理解できるが、政権政党の施策すべてに異を唱えるという攻撃的姿勢は、偏見に満ちたヒステリーと感じてしまうのは私だけではないだろう。例えばコロナ対策に関していえば、菅総理がやったワクチン接種は本人が自画自賛しているように正解だった。9月以降の急激な感染者数と死亡者数の減少はワクチン接種によるところが大きいのは間違いない。それは認めてあげるべきだ。けど、問題点がなかったわけではない。ワクチン接種はもっと早くに若い人にも接種できたはずだ。加えて、感染者数が増えた時の病床確保を各医療機関に要請するのではなく、政府主導で野戦病院を設置しておけばこの夏の医療崩壊は防げていただろう。そのためにはオリンピック中止すべきだった。オリンピックに必要な資金と人材、場所をワクチン接種と野戦病院に割いておけば、この夏に関東圏の自宅で亡くなったコロナ患者の何割かは救えた可能性が高い。それだけではない。アベノマスクやらGotoキャンペーン・蔓延防止策だのPCR検査の拡充・特別給付金だの、コロナ対策での反省点はいくらでもある。どこで何をしておけばより良い結果が生まれたか?そういったことを顧みなければ政治は改善はしていかない。今の自民党政治の問題点は、都合の悪いことには蓋をして自身の施策を真摯に検証しようとしないことだ(わが県の長期政権の首長も同じ)。菅さんはワクチン接種の効果ばかりを挙げるが、まずかった対策については触れない。アベさんのモリカケや桜を見る会問題だってそうだ。もっといえば第二次大戦やイラク戦争・東北震災や原発事故への対応などでも、良かったことのみ強調し支持を訴えるが、都合の悪いことはなかったことにして省みることがない。

枝野さんは、まずは自民党政治の成果のいくらかは認めつつ、不都合な真実を論理的に指摘することだった。そして立憲民主党が政権に参画すれば、実施された施策に対する客観的検証を担保する仕組みを作ることを強調すべきだった。民意を反映したまっとうな政治をとり戻すために必須の基本的政治姿勢を明確にし、自民党政治との決別を宣言すべきであった。自民党政治と変わりばえのない各論的施策を細かくマニュフェストに挙げて誇大妄想のように政権政党を目指すといっても、誰の支持も得られない。

シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

0コメント

  • 1000 / 1000