とんと首相の顔を見なくなった。ドンドン新規感染者が増え、首都圏では医療崩壊は目前になっている。にも関わらず、首相は何も言わない。無策の上にGoToナンチャラをしているのだから感染拡大して当然。何らかの強い意図をもった政策で充分予測していた結果なら、成り行きを見守っていると言えるのかもしれない。しかし、そんな説明はない。だから、なす術がなく何をやっていいのか分からず茫然自失になっているんだろうなと思ってしまう。私が思うに、「経済成長それしかない」といっていた御仁たちには、今回のコロナ禍の歴史的意味合いを理解できないだろう。しばらく我慢した後のV字回復しか頭にない。故にオリンピックの1年延期を早々と決め、アベノマスクといった箸にも棒にもかからない無駄なことをし、能天気にワインを飲みながら寛いでいたのだろう。しかし4-5月の経済的打撃が相当なものであることが明かになり、今後史上最悪の高い失業率や倒産などが現実となってきた。経済成長どころでなく経済破綻もみえ、大慌てであたふたしはじめたのが先月くらいだろう。少しでも経済の落ち込みを防ごうと思い、感染状況を無視しどんどん移動制限を緩和し、コロナが収束してからと言っていたGoToトラベルを準備不足のまま強行した。しかしそれは大方の予想通り火に油を注ぐ結果となった。本人たちの浅はかな希望的観測とは真反対の厳しい現実に直面し、顔面蒼白で思考停止状態に陥ったといったところではないだろうか。今の政策が結果的に正しかったとなるためには、コロナウイルスが弱毒化し重症者数や死者数が増えない結果になることを祈るしかない。
そんな政府に、大きなお世話だろうが現時点での解決策を提示したい。
まずは、非常事態宣言を再発出するしかない。現在のPCR検査のキャパは、最大限に感染拡大阻止のために用いるとともに検査能力を拡大する。すると2-3週後には新規患者数と共に検査相談件数が減少していくだろう。その検査能力に余力が出てきた時期にPhase2として、GoTo被災地キャンペーンを開始する。被災地に行く気のある若者を対象に、余裕の出てきたPCR検査(図中、黄色の双矢印)を受けてもらうとともに抗体検査も行う。先に掲載したように①PCR陰性・抗体陽性の若者には被災地で仕事をしてもらう。もちろん有給である。抗体陽性であるから数週間は感染はしないと予測され、その期間は全国どこでも移動可とする。②PCR陰性・抗体陰性の若者は、検査結果判明後2週間以内程度の域内での移動を認め、感染予防に努めながら域内での被災地支援に有給で携わってもらう。③PCR陽性の若者は隔離し、PCR陰性・抗体確認後①に準ずる。さらに新規患者数が減り検査のキャパに余裕が出てきたならばPhase3に移行し、政府お望みのGoToトラベルキャンペーンを開始する。ただし、Phase2と同じく希望者全員にPCRと抗体検査を義務付け、①②③同様の対処を行う。もちろん被災地に支援に行く人は有給とし、旅行を楽しみたい人にはクーポンを与える。そして抗体保有率がある数字を越えれば、集団免疫が獲得されたと判断し、フリーの移動となる。
どうだろうか?被災地支援、失業対策、経済対策も含めた策となる。この優れたところは、検査を常にフル稼働させることで実効再生産数(Rt)をほぼ正確に検知できることと抗体保有率を推定できることだ。Rt=0.75を目指した感染制御が可能となるうえ、集団免疫が獲得されたかどうかを判断できる。政府はどうしてもオリンピックを開催したいだろう。集団免疫が確立できていない段階での開催は無謀だ。集団免疫が確立されたと判断できれば大手を振って開催できる。どうだ?
観光業界や飲食業の苦境は重篤だろう。それを救う策は必要に違いない。しかし、行き当たりばったりの思想のない博打みたいな政策ではなく、ちゃんと道筋をつけるべきだ。
0コメント