落日

参議院選挙が終わった。扇動民主主義の流れで、SNSを駆使した〇〇ファーストと叫ぶ政党が躍進した。扇動の効果で投票率が上昇したのはよいことだが、扇動に乗っかりやすい右傾化はますます鮮明になった。〇〇ファーストと叫ぶことが悪いといっているのではない。それぞれ重要視するものは違う。経済成長を願う人、貧困から抜け出したい人、医療に不安を感じている人、教育を充実させてほしい人、高い税金に不満を持っている人、それぞれの立場で主張するのは大事なことだ。私だって「未来ファースト、いつかどこかのだれかのために」などと言っている。各党がそれぞれの視点で主張することは問題はない。しかし政治選択が扇動によりされるとなると、声の大きさが競われるばかりで本質を見失った排他的衆愚政治になる。

今回の選挙で衆参ともに政権与党が過半数を割った。扇動民主主義を生み出した主因は、各政党間の主張を聞いて調整を図るべき政権与党による政府機能の貧困さだと思う。第二次安部政権以降、その傾向は顕著だった。自公政権与党は選挙で過半数を取ったことで傲慢になり、野党を小馬鹿にした不遜な態度で政権運用を行ってきた。それでは野党は不満が募る。野党ばかりでなく、給料が上がらず貧困にあえぐ一般市民の不満もそうだ。それをうまく汲み取り扇動に長けた政党が躍進した。

右傾化は一時的な流れであってほしい。過激な言葉が横行するSNSにうんざりする若者が増えてほしいのだが、そうなるだろうか？むつかしそうだ。写真は本日の吉野川の落日。日本も落日。