トラウマを断ち切る

トラウマによる過剰反応を抑制できなければトラウマは連鎖する。だが、一度心深くまで刻まれたトラウマをコントロールするのはむつかしいようだ。親から虐待を受けた人は、我が子にも虐待を与えてしまう傾向があると聞く。それはトラウマとは別の話で、親から受け継いだ資質の問題かもしれない。私の父は長兄に対して理不尽な対応をしていた。そのトラウマゆえ長兄は潰れてしまったことは何度か書いた。幸い私は父とは離れていた時間が長くトラウマはほとんどないのだが、高校生時代に自分の歩き方や声・立ち居振る舞いが確実に父親から引き継がれたものだと感じていた。高校卒業後、徐々に壊れていく長兄を見ながら自分が子供を持つことに恐れを感じるようになった。外観だけでなく、私の根底に流れる父親と同じ性向を恐れたのだ。それは確実にあった。自分が子供をもてば父と同じ振る舞いを自分の子供にしてしまい、子供にトラウマを与えてしまう可能性を恐れた。だからKさんと結婚しても子供はもたないことにした。それは私のもつトラウマゆえの選択だったのだが、同じような経験を持つKさんもそれに賛同した。私たち二人にとって幸せな選択かどうかはわからないが、少なくともトラウマの連鎖を断ち切る選択ではある。

写真は2001年のイスラエル。映っている子供たちはパレスチナ人ではなくユダヤ人だ。イスラエルでシュタイナー教育をしている学校を訪問し、愛と平和の書を掲げ尺八なんぞ吹いた。彼らから民族のトラウマがわずかでも払拭されていることを願う。なお、昨年の12/11の似たような写真はベツレヘムのパレスチナ難民キャンプで撮ったもの。また前項の写真は2002年にジェニンで撮ったものなのだが、ジェニンでもへたくそな尺八を吹いた。顛末はarchive1の2編目、2009年11月19日の記事に書いてある。

今日から初場所。Kさんと一緒にみよう。

シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

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