不均衡の中の中立

PCを買い替えるにあたって、昔の写真やプレゼンを見返していた。海外の医療支援に積極的に従事していた10年程前のプレゼンでなかなかなものがあった。パレスチナやアフガン、イラク等での経験を紹介したあと、その結びで水俣病患者の救済に当たっていた原田正純医師の次の言葉を引用した。『圧倒的に力の強い側と圧倒的に弱い側とがあったとき、中立というのは強い側に協力していることになる』

図のように絶対的な不均衡な状況の中で、力の強い側に属する人間(A)が、発言せず意思表示しないことは、中立的立場を保っているかのようであるが、結果的には強者をサポートすることに他ならない。かと言って(B)のように絶対的強者と弱者の間に立った場合、それは多数者からすれば左あるいは右の人間と揶揄される。こういった状況は巷に溢れている。今話題のジャニーズの新社長となった東山氏などはその典型だろう。今まで(A)であったわけで、その彼がトップに立つと言うことは、被害者側からすれば加害者側の首がすげ代わっただけで、本気で変革をもたらそうとしていないと非難の声は上がって当然。強者側でいた東山氏のハラスメントに対する質問も出て、その資質に疑問が呈される。事務所が解体的出直しをも覚悟するなら、創業者の悪行を目の当たりにして事務所を去った辞めジャニと呼ばれる人の中で、適任者をトップにリクルートすべきだっただろう。

私の昨年来の経験もこの一つだ。圧倒的強者による組織の暴力に加担したくなく(B)の立場に立ったわけだが、それは組織からすれば偏向した態度で受け入れ難く、結果的に私はその組織を去る選択をした。

シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

0コメント

  • 1000 / 1000