今週は福島でお仕事中。Kさんはインドを満喫している。写真はKさんから拝借。
2012年から、原発の北25Kmにあるクリニックで働いている。震災前はこの地域の医療を支える民間病院の一つであったそうだ。震災後の2014年に福島県北部に本院を移し、もとの病院はクリニックに縮小し現在も続けている。しかし本院もクリニックも維持困難となっている。原因は医師不足である。
私の勤める病院だけではなく、この地域全体で医師数が足りていない。(私個人は医師の数というより、根本的には医師の働き方に問題があると思っているが、それについては後日書くと思う。)震災後この地域を支えるために天下の東大の研修医方が、こちらの市立病院に10名前後来ていた。しかし聞くところによると、その研修医たちが市立病院から引き上げたそうだ。理由は震災後もう7年以上経過しているから、とのこと。確かに震災直後の混乱を理由にするなら、医師派遣はもう必要ない。けど医師が足りていないという現実は改善はしていない。もう十分だと判断できる材料はない。何を理由に引き上げたのだろうか?後で聞いたところによると完全撤退ではなく、活動の場を南相馬市立病院から市内の私立病院と隣接する市の公立病院に移したとのことだ。
初めのブログ(アーカイブ1)に書いてあるように、私自身地域医療を担う県立病院の現場から去っていった。そしてその主因を、自治体のふがいなさに転嫁した。一理はあると思っている。しかし理由が何であれ、現地を去るのは結局は外の人間の傲慢さだろう。少なくともその中で生きていく外ない人々にはそう評価されよう。いただけない行為だ。反省。
東大のお医者様方がそうでないことを願う。傲慢にならず、自己満足で終わらず、真摯に丁寧に誠実に医療に従事していただきたい。
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