この本の中に、いくつかなるほどなと思う言葉があった。「人は自分というフィルターを通してしか物事を見れない。」「正しいって何?」「自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?」といった言葉だ、昔のブログから私も繰り返して書いてきたことだと思う。道徳とか正義とか生きる意味とかは、それぞれの人が自分というフィルター(主観)を通して判断するものだ。客観的事実の詰め上げで到達する科学的真実ではない。ある人にとっては譲れない正義だとか価値ある人生だとか守るべきルールといったものがあったとしても、他の人から見れば無価値なことはよくある。だから自分の思う正義を押し付けてはならないし、他人の正義だとか正しいことも無批判で受け入れるべきではない。要は自分なのだ。
他人に依存することは楽だ。考えなくてよいし責任も取らなくてよい。自分の楽しいことだけして大事な判断を人任せにしても、人は生きていける。だが人は裏切る。人に依存していては必ず裏切られ人は傷つく。たとえ裏切られるわけではないにしても、自分の不幸の原因を周囲の何かに押し付けたくなる。自分の受けた傷を修復することより先に、依存していた相手あるいは周囲環境の何かに恨みをぶつけることを優先してしまう。それに囚われてしまうと、イライラし不満ばかりの人生になっちまう。
しかし自分は自分を裏切らない。他人に頼らず自分で選択し生きていくなら、どんな困難に直面しようともその責任は自分にあり恨み言はいえない。恨み言を言う前にその困難に打ち克つ行動に考えを巡らすだろう。兄にそうであって欲しかった。
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