先週、太宰治の「人間失格」と遠藤周作の「海と毒薬」を続けて読みなおした。
"恥の多い生涯を送ってきました。"「人間失格」の有名な手記の冒頭だ。思えば私も恥の多い人生を送ってきた。高校卒業後の18歳から東北大震災前後の48歳くらいまでは、時々世間様に顔向けできない破廉恥なことをした。失礼な奴で薄っぺらい馬鹿者で嘘ばっかりの偽善者の振る舞いもした。私の知らぬところで私と関わったがために人生を踏み外した人もいよう。あるいは私がしでかしたことで未だ私を許せない方もいることだろう。恥ずかしい限り。ブログで数々の御大層なことを述べているが、お前にそんなことを言える資格があるのか?と時に自問自答してしまう。胸を張って資格があるとは言えない。
次いで遠藤周作の「海と毒薬」も読み直したのだが、そこで問われているのは罪の自覚であった。お前は自分の罪を自覚しているのか?恥の多い生涯の中で周囲に与えた害悪を真に悔いているか?罪の自覚が希薄であるがゆえに、このようなブログを書き、のうのうと医者として偉そうな顔をして生きていけているのじゃないか?そう思った。
昨日は自民の新総裁が選出された。今日は新しい内閣が誕生するらしい。罪の意識が薄い”大物”が留任。議員としての資格も危ういような方が「やれと役目を与えていただけるなら、誠心誠意努めます」と物欲しそうな顔でインタビューに応えていた。と、批判する資格が私にあるのかな?
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