クルーズ船での新型コロナウイルスの検疫について、日本政府の対応が海外から批判を受けている。乗員乗客を長期間船内に留めたことで、クルーズ船が培養皿となり船内での感染を拡大させたのではないかという批判だ。正解だろう。大臣は「閉じ込めたのではなく検疫していたのです」と気色ばんで答弁していたが、検疫官やら職員・DMATの看護師などが二次感染し市中に出て行ったという事実からは、病原菌を一か所に閉じ込めるという検疫の第一目標すら達成できていないお粗末な対応であったのは明白だ。
神戸大学の先生が暴露していた。レッドゾーンとグリーンゾーンの区別があいまいで、防護服のままグリーンゾーンに出てきている検疫職員がいたり、ゾーンを関係なく自由に動いている乗員がいたりしたようだ。おそらくは船内のどこかに存在したホットスポットから接触感染したか、あるいは乗員が三次四次感染のスプレッダーとなったかであろう。早期に船から離れていれば感染をきたさなかった人にまで感染を広げてしまったという指摘はもっともだ。現実的には、3000人余りの人を移動させ収容する施設を確保することは困難であったろうが、不完全な感染防御策でただ閉じ込め、結果的には十分感染が広がる時間を与えただけになってしまった。
本日からPCR検査で陰性であった乗客たちが解放されている。解放はもちろん喜ばしいことだ。ただ、ウイルス検査で陰性であったことを免罪符にして、公共機関を使っての移動を許可し自宅に帰した処置はどうなのだろうか?数日後に、解放された人たちの中から新型コロナウイルスがでれば、培養皿をぶちまけたことになる。培養し拡散。そうならないことを切に願う。厚労省の医務技官、しっかりしてください。
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