ネブラスカ

今日は、スプリングスティーンのネブラスカがアメリカでリリースされた日。今から30年前の1982年。私がこのアルバムを聴いたのは20歳前後だった。すでに闇に吠える街、Born to Run、The Riverを聞いて彼のファンになっていた私は、独りでアコギとハーモニカのみで録音したこのアルバムに意表を突かれたが、失望することはなく衝撃を受けた。”Born to Run”を聞いてニヒリズムから脱却しなければと思った私(archive1参照)は、このアルバムからは対照的に”闇”を見ることの大切さを感じた。同時期に実存主義文学にはまり、そして死を見るために医学部に入学した。

宮井 章裕という方が書いている、「スプリングスティーンが歌う「ネブラスカ」の闇、世の中から置き去りにされた人の声」の中に”『ネブラスカ』にはたくさんの拭いようのない闇がある。それは、人を裁くことが物事の本質的な解決にはならないという真実を、僕らに突きつけてくる。”という一節があった。

その通りだと思う。人を裁く行為は社会の秩序を守るためには必要だ。闇を裁いて排除しなければこの世界は秩序を無くす。しかし、依怙贔屓の項で書いたように安定を求めるためのスケープゴートは絶えることはない。闇を裁いて闇から逃れることは人間存在を理解するための行為ではなく、人間社会を維持するためのテクニックでしかない。

私は、人間を理解したいのだ。少々道を外した人間が好きで、組織による処罰が嫌いな理由がこれなんだと腑に落ちた。

これから仙台を出て、昼に羽田空港でKさんと落ち合い、寿司を食べて徳島に帰る。

シャクゲバ

シャクゲバ=尺八を吹くゲバラ。この世の中を生き抜くには、この姿が必要と思いこの名前にした。日々感じることなどつづっていく予定。

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