か・こ・い・こ・み

「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守ること」を基本姿勢とする首相。彼が具体的にどうしたいのかは判らないのだが、JOCはバブル手法をとるとのこと。選手たちを外部と接触させないよう見えない泡のような被膜で囲い込む「お・も・て・な・し」ならぬ「か・こ・い・こ・み」戦法だ。具体的には、来日した選手たちを競技会場とホテルの行き来のみの軟禁状態にし、応援する日本人やメディア関係者との接触をブロックする。宿舎でも食事の時に大人数で会話してもダメだろう。孤食もしくは黙食を強いるのだろうか。官房長官は、監視員をおき違反すれば(そんな権利があるのかどうか疑問だが)出場資格をはく奪することもあると言っていた。選手たちにはストレスだろうな。それでも金メダルを目標にストイックに頑張っているアスリートは満足かもしれない。メダルとは縁がなく参加することに意義を感じる選手たちはどうなのだろうか？そんな窮屈なオリンピックに意義を感じるだろうか？丸川大臣はコロナで分断された世界に絆を取り戻すための五輪と言っていたが、囲い込みではそれは無理だろう。

インド変異株の市中感染も疑われ始めている。そんな時に火に油を注ぐ国際イベントを決行しようとするのは正気の沙汰ではない。選手を囲い込めても、来日するマスコミや各国関係者全てをコントロールはできない。オリンピックを諦めコロナ対策に全力を注ぐのが賢明な政治判断だと思うのだが、誰も決断できず、なし崩し的に開催されようとしている。いかにもニッポンだ。